正直言って野球にはあまり興味はなかった。猫も杓子も巨人、巨人。勝敗に一喜一憂している姿を見て馬鹿じゃないの?といつも思っていました。松井が大嫌いな巨人からメジャーリーグに挑戦することになり、どれくらい通用するのか見てやろうと思い、開幕から試合を見始めたところ初打席でヒット。その後も満塁ホームランやサヨナラヒットを放つなど活躍している姿をテレビで見ているうちに、生で見たくなりました。そんな時にタイミング良く(?)ネットで格安ツアーを見つけました。今年はイラク戦争やSARSの影響でGWの海外旅行者が少ないらしく、2週間前になって急遽値下げしたようで電話で問い合わせしたところすんなり予約が取れてしまいました。そんな訳で4月28日から4泊6日でニューヨークへヤンキース対マリナーズ(松井対イチロー)の3連戦を見に行ってきました。

ヤンキースタジアムはブロンクスというあまり治安のよくない所にあるので、地下鉄を利用しファンの流れにのって行くと安全だ、と言われたとおりの方法で向かいました。161st駅に着きスタジアム方向に歩いていると「Tickets!」と声を掛けてくる人がいました。そうです、アメリカにも「ダフ屋」はいたのです。そんな声を無視して正面の入口まで来るとまだ開門前でたくさんの人が集まっていました。結構日本人もいるな〜と自分のことを忘れガードレールに腰掛けていると1台の黒く長いリムジンが停車し、ヤンキースの小旗を先頭に日本人団体客が10人ほど降りてきました。送迎つきとは羨ましいなと思っていたらシャッターが上がりようやく開門しました。しかし、入る前に持ち物チェックが待っています。デイパックのようなカバンは駄目、ビデオカメラも駄目、飲食物も駄目、基本的に手ぶらでないと駄目なようです。デジカメは首から下げて行きました。入場するとマリナーズの練習中でライトにはイチローと故障中の佐々木が球拾いとして守備をしていました。

バックネット裏

イチローと佐々木

歴代の永久欠番
レフト側ブルペンの横にはモニュメントパークがあります。ここにはベーブ・ルースを始め歴代の永久欠番15選手のレリーフがあり、いつも後輩たちの試合を見守っています。ここを見ると100年というチームの歴史と伝統を感じます。


ベーブ・ルース

ルー・ゲーリック

ジョー・ディマジオ

ミッキー・マントル

4月29日のチケット
日本人対決第1ラウンド、ヤンキースの先発は300勝まであと3勝と迫ったクレメンス。しかし3本のホームランを浴びて今季初黒星。松井は4打数1安打、第3打席まで14打席ノーヒットだったが、9回裏の第4打席に長谷川からセンター前ヒット。イチローは5打数1安打、第3打席に3塁線に絶妙のセーフティバントを決める。試合は6対0でマリナーズの勝ち

ウォーミングアップしている松井

後ろ姿もかっこいいイチロー

イチローの第2打席 2回表 2死走者なし
ショートフライ(ピッチャー:クレメンス)

松井の第4打席 9回裏 1死走者なし
センター前ヒット(ピッチャー:長谷川)
第1戦
マリナーズ
ヤンキース

 勝:メッシュ 負:クレメンス

 本塁打:ブーン(1回=クレメンス)、デービス(2回=クレメンス)、マルチネス(6回=クレメンス)


4月30日のチケット
夢の対決第2ラウンド、初回に松井のタイムリーで先制するとモンデシーに満塁ホームランも出て一挙5点。マリナーズは8回にブーンの2試合連続ホームランなどで1点差まで詰め寄るが、ヤンキースもその裏3点を追加し、8対5で逃げ切った。松井は3打数1安打1打点、5回には大飛球をジャンピングキャッチで攻守に活躍。イチローは第1打席エラーで出塁し盗塁を決めるが5打数無安打。9回裏には怪我から復帰したリベラが今季初登板。

試合開始前の国歌斉唱

キャッチボールをするイチロー

松井の第1打席 1回裏 2死1、2塁
レフト前ヒット

2塁ランナーのジールが生還し松井に打点1
(ピッチャー:モイヤー)
第2戦
マリナーズ
ヤンキース
×

 勝:ベティット 負:モイヤー

 本塁打:モンデシー(1回=モイヤー)、ブーン(8回=アセベド)


5月1日のチケット
1勝1敗で迎えた第3ラウンド、ムシーナ、ピネイロ両投手の好投で4回まで無得点、5回表マリナーズが1点を先制するが、5回、6回にソロホームランでヤンキースが勝ち越し。最後は前日復帰したリベラが3人で抑え初セーブ。松井は4打数1安打、8回裏第4打席2死満塁のチャンスに空振り三振。イチローは4打数2安打、8回表センター前ヒットで出塁するが、今季初の盗塁失敗。対戦成績2勝1敗でヤンキースの勝ち越し。

5回終了後
グラウンド整備員による恒例のYMCA

7回裏攻撃前「God Bless America」斉唱で
国旗を掲げるブリーチャー席の熱狂的ファン

松井の第4打席 8回裏 2死満塁
空振り三振(ピッチャー:ローズ)

勝利のハイタッチ
場内にはシナトラの「ニューヨーク・ニューヨーク」
第3戦
マリナーズ
ヤンキース
×

 勝:ムシーナ 負:ピネイロ セーブ:リベラ

 本塁打:ポサダ(5回=ピネイロ)、ソリアーノ(6回=ピネイロ)

3試合を観戦しての感想は「見に行ってよかった」の一言です。松井、イチロー共に3試合で3安打ずつと物足りなさはありましたが、メジャーリーグという最高の舞台での対決を生で見ることができるとは1ヶ月前には想像もしていませんでした。昨年はサッカーワールドカップを2試合観戦し、一年中サッカーに夢中でしたが、今年はこのままメジャーリーグに夢中になりそうです。日本のプロ野球と一番違うところは応援のスタイルです。日本では笛、太鼓、トランペット、メガホンなどで音を出し、大きな旗を振りますが、アメリカにはそういうものは一切ありません。音は拍手と歓声だけです。好プレーにはスタンディングオベーションで大きな拍手をし、ミスプレーにはヤンキースの選手に対してもブーイングをする。うるさい応援をしないので観戦にも集中できるし、応援するときは声を出して直接参加できる、このアメリカンスタイルが私は好きです。その他の違うところは飲食物です。日本では弁当、カレー、焼きそばなどたくさん種類がありますが、アメリカではホットドッグとポップコーンとピーナッツくらいしかありません。私も3日間ホットドッグを食べビールを飲みました。ビールは客席まで売りに来ますが、日本のように若くてかわいいおねえちゃんはいません。男ばかりで年齢もかなり高めです。ついでに白人はひとりも見ませんでした。樽から紙コップに注ぐのではなく、スリムな瓶ビールをラッパ飲みするスタイル。ちょっとかっこいいのですが、空き瓶を回収しないので、試合終了時には椅子の下には空き瓶がたくさん転がっていて危険です。ポップコーンはケンタッキーのパーティバーレルくらいの器に入っているのでとてもひとりでは食べ切れません。日本人対決ということで注目されてはいましたが、かなり空席もありました。私が観戦した席は3試合ともライト側のメインボックス40$(約5000円)を手数料込み8000円で旅行会社に頼みましたが、あんなに空席があるなら当日券で安く観戦できたのに、と思いましたが初めてなので仕方ありません。次回(?)は現地で直接買いましょう。